閏年・うるう年とは
閏年・うるう年は「じゅんねん」とも読み、1年が366日で「2月29日」のある年を言います。
「潤う(うるおう)」がなまってできた言葉という説もあり、うるう年でない年は「平年(へいねん)」と言います。
平年は2月28日までですが、なぜうるう年になると29日まであるのでしょうか。その理由は太陽暦にあります。
1年を365日とする太陽暦は地球が太陽の周りを1周する周期を基に作られた暦です。
しかし地球と太陽の動きは必ずしも一定の動きではありません。
長い時間の中で少しずつズレが出てしまい、365日のままだと季節などのズレがわずかに出てしまいます。
そのズレを修正するのが「うるう日(2月29日)」を含むうるう年です。このうるう年を設けることで、日にちと季節が今も変わらずにあります。
うるう日が無ければ、6月なのに雪が降っている状態になっていたかもしれませんね。
この記事ではうるう年の簡易表や意味、起源などをまとめました。
次回のうるう年は2024年、これを期にうるう年の仕組みなど覚えてみてはいかがでしょうか。
英語でleap year(リープ・イヤー)
うるう年は英語で「leap year(リープ・イヤー)」とも言います。「跳ねる」「跳ぶ」という意味がありますが、なぜleap year(リープ・イヤー)と言うのでしょう。
平年の1月1日が月曜日だったとすると次の年の1月1日は火曜日になります。
しかし、うるう年は1日増えたことで、平年の1月1日が火曜日だったものが、うるう年の次の年は水曜日になります。
つまり曜日を跳び越えることから「跳ねる」、「跳ぶ」のリープ(leap)という英語がついた、ということなんですね。
オリンピックとはたまたま重なっただけ!?
オリンピックはうるう年に開催されるものと思っている方も多くいます。
確かにオリンピックとうるう年は重なる年がほとんどですが、全てのオリンピックがうるう年に開催される訳ではありません。
では、なぜオリンピックがうるう年と重なるのか?それは単純に1896年のうるう年に、最初のアテネオリンピックが重なったためです。
オリンピックは歴史的な風習で4年に1度の開催となっており、うるう年に合わせているわけではありません。
その証拠に過去にパリで行われたオリンピックはうるう年ではない1900年に開催されています。
しかし、ほとんどのオリンピックがうるう年に開催されるため、全く関係性がない訳ではありません。
オリンピックは1度消えかけた?
オリンピックはうるう年ができるはるか昔、およそ紀元前9年のギリシャから始まったと言われています。
当時はオリンピックという名ではなく、「オリンピア祭典競技」という名で行われており、時期も4年に1度ではなく、8年に1度の開催となっていました。
現在オリンピックは「平和の祭典」ですが、元は宗教的な行事だったのです。
しかし、オリンピア祭典競技から「古代オリンピック」と名を変え続いていた行事でしたが、紀元前146年のローマ帝国の征服にあい、国教がオリンピア信仰からキリスト教へと変わります。
その影響で当時の宗教行事だった古代オリンピックは、293回目を最後に1196年続いた歴史に幕を閉じます。
それから約1500年後、1894年にパリで行われた国際アスレチック会議にてフランスのピエール・ド・クーベルタン男爵によりオリンピックの復興計画が提案されます。
世界中が復興計画に賛同し、2年後の1896年に発祥地であったアテネにて第一回、近代オリンピックが開催されたのでした。
うるう年はいつできた?
今でこそ日本は太陽暦の中の1つ、「グレゴリオ暦」を使っていますが、うるう年が始まった暦はいつなのでしょう。
はるか昔の紀元前710年は「ヌマ暦」という暦が使われていました。この暦は周期の計算を間違えたのか、1年を355日としてしまいます。
355日だと当然太陽を1周する周期と合わず、季節ともズレが出てしまいます。そのため、次の「ユリウス暦」にて日数の改定が行われました。
うるう年の誕生は「ユリウス暦」
うるう年が制定されたのはおよそ紀元前45年に制定された「ユリウス暦」からとなっています。
「ユリウス暦」とは紀元前45年にローマの最高神神祇官のユリウス・カサエル(ジュリアス・シーザー)により制定された暦です。
ユリウスは周期を計算し、地球が太陽を1周する周期を365.25日と導きだします。
それでも周期によるズレは出てしまうので、そのズレを解消するため、4年に1度ある、うるう年が導入されたという訳です。
ユリウス暦からグレゴリオ暦へ
グレゴリオ暦はユリウス暦よりもさらに周期を正確にした、世界中で使われている暦です。
ユリウス暦にも長い目で見るとズレが生じることがわかり、1582年にローマ教皇、グレゴリウスにより再度の暦と周期の変更が行われます。
ユリウス暦の地球が太陽を1周する周期が365.25日だったのに対して、グレゴリオ暦は365.2422日とさらに精密な周期となっています。
さらにユリウス暦でうるう年は4年に1度でしたが、グレゴリオ暦では別の方法でうるう年が決まる仕組みをつくりました。
これにより季節と多少のズレが起きても、うるう年で調整することにより、限りなく地球と太陽の周期に近い状態に修正することが可能になりました。
うるう年になる仕組み
季節と地球、太陽の1周期を調整するうるう年のできる仕組みは定められた法則があります。
グレゴリオ暦にできたこの法則に基づいて、うるう年が決められました。
うるう年になる法則
うるう年ができる仕組みとして以下の法則が適用されています。
・西暦を4で割り切れる年はうるう年になる。
・うるう年でも100で割り切れるならその年は平年になる。
・例外もあり、100で割り切れるが、400でも割り切れる年ならその年はうるう年となる。
「うるう秒」もある
うるう年やうるう日のほかにも「うるう秒」なるものが存在します。
うるう秒は地球の自転による周期のズレを修正する目的があり、日本の場合は1月1日と7月1日を実施日とし、2017年までに27回実施されています。
うるう秒は時間が地球の自転より早い場合に1秒足す、「正のうるう秒」と遅れてる場合に1秒引く「負のうるう秒」があり、「8時59分59秒」に1秒足したり引いたりして調整します。
今まで27回のうるう秒が実施しましたが、全て正のうるう秒しか実施されませんでした。
正のうるう秒
時間が自転より早まっている場合に使われる場合は、1秒足す正のうるう秒を使います。
通常「8時59分59秒」の次は「9時00分00秒」になります。ですが正のうるう秒を使うと本来ないはずの「8時59分60秒」という時間がカウントされ、時間と自転のズレを修正します。
負のうるう秒
反対に負のうるう秒は時間が自転より遅れてる場合に1秒減らします。
仕組みは「8時59分58秒」の次に「9時00分00秒」がきます。つまり、あるはずの「8時59分59秒」を消して1秒無くし、遅れている時間を周期に追いつくように修正するのです。
うるう年一覧
2100年までのうるう年をまとめました。2100年は平年なのでうるう年にはなりません。
・2020年
・2024年
・2028年
・2032年
・2036年
・2040年
・2044年
・2048年
・2052年
・2056年
・2060年
・2064年
・2068年
・2072年
・2076年
・2080年
・2084年
・2088年
・2092年
・2096年
うるう年のうるう日が誕生日の場合いつ歳をとる?免許更新は?
およそ4年に1度しかない2月29日のうるう日に生まれた人は、29日の無い平年はいつ歳をとるのでしょう?
これは日本で定められている「年齢計算ニ関スル法律」に、「生まれた日の前日が満了した時点で1歳年を取る」といった説明があります。
つまり、うるう年でなくとも2月28日が終わった時点で歳を取ることになります。では免許更新はどうなるのでしょう?
これも、しっかり道路交通法に「2月29日生まれの人の平年における誕生日は、2月28日とみなす」と記載があります。
うるう年のある年は29日ですが、平年の場合の運転免許証の有効期間は28日になるんですね。
うるう年は4年に1度の特別な年
うるう年に関する解説をしましたが、いかがでしたか?
期限をたどるとローマの歴史にまで遡ったり、地球や太陽の話まで広がったりと、とてもスケールの大きなことから、うるう年ができたのがわかります。
1つの特別な年や月、祝日などは調べてみると歴史的な背景が見れて楽しいものです。
これを期に、祝日などがなぜできたのか興味をもってみてはいかがでしょうか。新しい発見があるかもしれませんよ。