余寒見舞いって何?いつまで出せばいいの?書き方は?
日本には年始の始まりの挨拶として、年賀状を送る風習があります。年初めの挨拶で縁起の良い、めでたいイメージのある便りです。
年始までに年賀状が出せなかった場合は、「寒中見舞い」として送る方法もありますね。
しかし、さまざまな理由があり、寒中見舞いも出せなかった場合はどうなるのでしょう?
この場合は、寒中見舞いの時期を過ぎてから出す便りの「余寒見舞い」として、遅めの挨拶として送ります。
寒中見舞いは聞いたことがあるけど、余寒見舞いという言葉は知らない、いつ出すのか分からないという方もいるでしょう。
この記事は余寒見舞いの時期とその用途、書き方などを解説します。
電子化が進み、新年の挨拶もSNSなどで済む現代。年賀状などの風習が薄れつつある現代こそ、手紙を送ると相手に喜ばれるものです。
これを期に余寒見舞いの知識を覚えてみてはいかがでしょうか。
余寒見舞いとは?いつ出す手紙?
寒中見舞いは年賀状を出せなかったときに松の内(元日~1月7日)から立春(2月3日頃)までに出す年始の便りです。
喪中で出せなかった、出してない人から年賀状が届いた際、返事として出します。
その寒中見舞いの期間内に出せなかった場合に出す年始の便りを「余寒見舞い」と言います。
立春から2月末までに出すのが一般的ですが、地域によってはそれ以降に出すことも。遅くとも3月上旬までには出すようにします。
余寒見舞い・寒中見舞いの意味
余寒見舞いも寒中見舞いも時期は違えど意味は同じ、遅めの年始の挨拶と、寒い時期のお互いの近況報告のようなものです。
残暑見舞いの冬バージョンのようなものと考えると分かりやすいのではないでしょうか。
年賀状を書いてない人から届いた返事に出したり、喪中で年賀状の返事が出せなかったりする際に使います。
相手が喪中の場合と知らず出してしまったときのお詫びとお悔やみの言葉として送ることもあります。
「寒中」の意味
「寒中」とは二十四節気の小寒、大寒の時期を指します。
小寒は寒入りとも呼ばれ、寒さが本格的になる時期です。1月5、6日頃から15日ほどの期間を言います。
小寒の次は寒さがピークに達する時期の大寒がきます。およそ1月20日頃から15日、立春までを目安とする、1年で最も寒い時期と言われています。
厳しい寒さの寒中が明けると立春が来ます。2月4日頃で暦の上では春の訪れとされる立春ですが、まだまだ寒さの残る時期でもあります。
年始が始まったら出す挨拶状
- ■年賀状・・・元日(1月1日)から1月7日まで
■寒中見舞い・・・1月8日から2月3日頃まで
■余寒見舞い・・・2月4日から2月末まで(地域による違いあり)
余寒見舞いの書き方・マナー
年賀状は「明けましておめでとうございます」や「謹賀新年」などで始まることが多いですが、余寒見舞いの場合は「余寒見舞い申し上げます」や「余寒のお伺い申し上げます」などの文章で始まります。
「拝啓」や「敬具」は書く必要はありません。これらに注意して余寒見舞いを書きましょう。
順番にすると
①初めの挨拶、「余寒見舞い申し上げます」「余寒のお伺い申し上げます」から始まり
②「本当の春が待ち遠しい毎日ですが~」や「どうぞお元気で過ごされますよう~」など自身の近況やの相手の安否を伺う文章を書く
③最後に日付を書く「平成○年〇月〇日」(日付のあとに自分の名前を書いても良い)
となります。
寒中見舞いと余寒見舞いを書く際、「句読点は使わず、2行目以降は行頭を揃える」という習慣がありますが、習慣なので絶対ではなく、句読点は付けても付けなくても良いようです。
余寒見舞いの例文
■余寒見舞い例文
余寒見舞い申し上げます 立春とはいえ厳しい寒さが続いていますが、皆様お変わりありませんでしょうか こちらは風邪をひくこともなく元気に過ごしております どうぞお体ご自愛下さい 令和〇年〇月〇日 |
余寒のお伺い申し上げます 寒さ厳しき折○○様はお変わりなくお過ごしでしょうか こちらは皆元気で変わりなく過ごしております まだ春の温かさは遠く感じますが何卒お体ご自愛下さい 令和〇年〇月〇日 |
■喪中の余寒見舞い例文
厳しい寒さが続き春は遠く感じますが皆様お変わりありませんでしょうか 実は昨年○月に(続柄)を亡くしたため年末年始のごあいさつが遅れたうえ欠礼のお知らせが行き届かず申し訳ございませんでした 春寒の折からお体ご自愛くださいますようお祈り申し上げます 令和〇年〇月〇日 |
年賀状の返事に寒中見舞い・余寒見舞いを出そう
ここまで寒中見舞いの時期や書き方について解説しました。
寒中見舞いを知ってても余寒見舞いを知らない場合はこれを期に書き方など覚えてみてはいかがでしょうか。
余寒見舞いと寒中見舞いは厳寒期にお互いの近況を伝えるものです。年賀状の遅めの返信だったり、喪中が理由で出せなかった旨を伝えたりする便りでもあります。
現在はSNSなどネット上での挨拶が可能になり、こういった風習が薄れつつあります。
だからこそ、手間のかかる手紙は貰った方はとても嬉しく感じるものです。
これを期に特別な方への新年の挨拶は年賀状を始め、寒中見舞いや余寒見舞いのお手紙を書いてみてはいかがでしょうか。