中旬(ちゅうじゅん)はいつ?
私たちは日ごろの生活で、「今月の中旬までには納品してください」「テストは中旬に予定しています」など、何気なく「中旬」を使っています。
「中旬(ちゅうじゅん)」について、何時から何時までが中旬なのか、中旬はどのような経緯で生まれたのか気になります。今回は中旬について楽しく紹介します。
中旬は11日から20日まで!
中旬には中がある以上、上・中・下から上旬も下旬もあります。実際に「上旬」→「中旬」→「下旬」で1カ月が成り立っています。
もともと「旬」は10日間を表しています。従って、各月の1日から10日までが「上旬(上旬)」になります。そして、「中旬(ちゅうじゅん)」は各月の11日から20日にあたります。「下旬(げじゅん)」だけは各月により末日が異なることから、下旬は21日から月末までになります。
区分 | 期間 |
上旬(初旬) | 1日~10日 |
中旬 | 11日~20日 |
下旬 | 21日~月末 |
中旬は一番充実できる期間かも
1か月のスケジュールをみると、月初は一月の予定を組んだり、会議や打ち合わせが開かれることが多くあります。下旬になると、とにかく慌ただしくて切羽詰まることもあり、なかなか集中できないこともあります。
そこにいくと、中旬はじっくりと物事について集中できる充実できる期間といえるようです。
昔の中旬は満月
元々の中旬は、旧暦の「大陰太陽暦」では新月がだんだんと満ちていく過程で、15日に満月になります。そうして欠けていきっ新月に戻値ます。
そこから、毎月の中旬、11日から20日は月が満ちていく過程があり、充実していく日程ともいえます。それだけ、頑張れる10日間といえるようです。
旬は中国が起源
今でも日本の暦に載っている十干(じっかん)では、甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)の並びで日にちを表しています。
この10日が現在の旬になったと考えられ、そこからも「旬」が10を意味する漢字になっていたと推測できます。
中旬の「旬」の使われ方
「旬」は10日間を意味する漢字として、日常生活の様々な場面で使われています。
旬がよく使われるのが「旬刊(じゅんかん)」で、旬刊は十日ごとに刊行する雑誌や新聞を意味しています。「旬刊」と同じ意味の「旬報」で良く知られているのが映画雑誌「キネマ旬報」です。現在のキネマ旬報は、毎月5日と20日の刊行になっていますが、雑誌の名前は「キネマ旬報」のままです。
〇〇旬間として使われる
日本のさまざまな行事で「旬間(じゅんかん)」が使われています。週間では短くて物足りなく、月間では長すぎて焦点がぼけるようで、10日間の旬間がちょうどよく、催事が展開される場合は「〇〇旬間」と銘打って行われます。
全国交通安全運動がよく知られ、春の全国交通安全旬間は4月6日から4月15日までになります。秋の全国交通安全旬間は、9月21日から9月30日までになります。
また、ファンが多い鉄道にも鉄道を記念する旬間があります。10月14日の鉄道の日を含む10月11日から10月20日までが鉄道旬間です。
「旬」が付く熟語
旬がつく熟語には、10日間を意味する「旬日(じゅんじつ)」があり、10日ごとに出す報告書として使われる「旬報(じゅんぽう)」は、労働旬報に使われます。また、10日ごとに刊行される雑誌や新聞などに使われているのが「旬刊(じゅんかん)」で、旬刊旅行新聞、旬刊経済情報などがあります。
「旬」の字の成り立ち
ちなみに、漢字の「旬」の成り立ちですが、一つの説を紹介します。「日」は太陽、「勹」は「人が腕をぐるりと回している様子」を表します。古代に「日=太陽」で一か月や日など時間の単位を数える基準としていたのです。そこから、日=太陽を一回りすることで「旬=十日」の意味になったようです。
「旬(じゅん)」は「旬(しゅん)」に通じる!
旬は「しゅん」と読めます。「旬(しゅん)」の意味は野菜や果物や魚など、シーズン性がある食べ物がもっともおいしく食べられる時期をいいます。
「旬(じゅん)」は10日間の意味ですが、そこから「旬(しゅん)」は、食べ物の一番良い時期、最もおいしい時期という意味に転化していったようです。
やはり月の中間「中旬」は充実
各月の11日から20日までの中旬、月初の慌ただしさや、月末の切羽詰まった緊迫感がなく、もっとも、充実して物事に打ち込める10日間のようです。
一か月を3等分していた先人の知恵で、三段論法や序破急や、ポップ、スッテプ、ジャンプのように、各10日間が意味を持っていますが、中旬は一番集中できる期間ともいえそうです。頑張れる期間です。