2021年の夏至はいつ?
2021年の夏至は6月21日です。北半球では1年の中で一番日の出から日の入りまでの間、すなわち昼の長い日となります。また、後ほど紹介しますが夏至を期間として言う場合もあります。その場合2021年の夏至は6月21日から7月6日までとなります。
しかし、夏至日はいつでも6月21日というわけではありません。大体は6月21日ですが22日になる年もあります。夏至で一番よく言われるのが、先に紹介した一番昼の長い日ですが、太陽高度が一番高くなる日でもあります。すなわち太陽が南に一番高く上がる日、影が一番短くなる日ということです。
夏至は古代中国で使われた暦の一種である二十四節気の中の一つですが、天文学的な意味も持ち合わせています。二十四節気については後ほど別に項目を起こして紹介します。
西 暦 | 夏 至 | 小暑 | |
---|---|---|---|
2019年 | 6月22日 | 6月22日~6月6日 | 7月7日 |
2020年 | 6月21日 | 6月22日~6月6日 | 7月7日 |
2021年 | 6月21日 | 6月22日~6月6日 | 7月7日 |
2022年 | 6月21日 | 6月22日~6月6日 | 7月7日 |
2023年 | 6月21日 | 6月22日~6月6日 | 7月7日 |
2024年 | 6月21日 | 6月22日~6月5日 | 7月6日 |
2025年 | 6月21日 | 6月22日~6月6日 | 7月7日 |
2026年 | 6月21日 | 6月22日~6月6日 | 7月7日 |
2027年 | 6月21日 | 6月22日~6月6日 | 7月7日 |
2028年 | 6月21日 | 6月22日~6月5日 | 7月6日 |
天文学的な夏至
地球に四季が起こるのは、地球が自転する回転軸である地軸が、地球が太陽を周る公転面(黄道)に対して常に約23.4度傾いていることが原因です。この地軸の傾きにより、北極点が一番が一番太陽へ向いたときが夏至で、南極点が一番太陽に向いたときが冬至となります。天文学的には太陽黄経が90度になった瞬間が夏至と定義され、その時刻を含む日を夏至日と言っています。
ちなみに2021年の夏至は日本標準時で6月21日の12時32分です。したがって夏至日は6月21日です。
二十四節気の夏至
二十四節気は太陽の動きに基づいて決められていて、春分から次の春分までの1年を24等分した約15日ごとの節気に区切り、それぞれの節気に名前を付けたもので、夏至は二十四節気の10番目に当たります。夏至の他にもよく聞く「立春」「啓蟄」「立夏」「大暑」「立秋」「秋分」「立冬」「冬至」「大寒」なども二十四節気の内で、時候の挨拶の中にもよく入っている以外に身近なものです。
それぞれの節気は、その1日を指す場合と、次の節気までの期間を指す場合の2通りがあります。期間を表す場合、夏至の場合は次の節気が小暑ですので、夏至日から小暑の前日までが夏至の期間ということになります。従って2021年は夏至日が6月21日で、小暑が7月7日ですので、期間で言う夏至は6月21日から7月6日になります。夏至はいつかと聞かれれば、この期間を答えるのも正解です。
元々二十四節気は古代中国で作られ、日本では平安時代から使われています。しかし、日本では日本の気候に合わせて、節分・彼岸・八十八夜・入梅・半夏生・土用などの「雑節」が設けられています。江戸時代には天文暦学者の渋川春海が日本に合わせた改訂版をつくり、明治時代に更に改定を重ね、現在使われているものの基になっています。
二十四節気
- 春:立春~穀雨 夏:立夏~大暑 秋:立秋~霜降 冬:立冬~大寒
立春→雨水→啓蟄→春分→清明→穀雨→立夏→小満→芒種→夏至→小暑→大暑→立秋→処暑→白露→秋分→寒露→霜降→立冬→小雪→大雪→冬至→小寒→大寒
夏至は1年で1番昼が長い日
夏至の日は、1年で一番昼間の長さ長い日です。すなわち、日の出から日の入りまでの時間が一番長いということです。しかし、昼間の長さはどれくらいなのでしょう。また、日の出が一番早い日なのでしょうか。ここでは、それらの疑問を解決していきましょう。
夏至は昼が一番長い日、長さはどれくらい?
2021年の夏至(6月21日)の日の東京の日の出時刻は4時24分47秒で、日の入り時刻は19時0分38秒ですので、昼の長さは14時間35分51秒になります。
昼間の長さは太陽高度(太陽の高さ)で決まります。太陽高度が一番高くなれば、空を通過する道のりが一番長くなり、昼間が長くなります。それが夏至日です。(昼間が長い日=太陽高度が一番高い日=夏至)となります。
上の天球の図では夏至の日、春分・秋分の日、冬至の日の太陽の動きをモデル的に表してあります。夏至の日がいかに太陽の道のりが長いか分かります。
「夏至の日の南中高度(太陽が真南にある時の太陽の高さ)を求めなさい。」中学の理科のテストでよく出てくる問題です。答えはおおよそ(90°−緯度+23.4°)で求められます。23.4°は地軸の傾きです。逆に夏至の日の南中高度を求めれば、その場所の緯度が分かるということですね。東京の緯度は約35.7°ですので、夏至の日の太陽の南中高度は約77.7度ということになります。
夏至は日の出が一番早い日、日の入りが一番遅い日ではありません
夏至の日は1年の中で1番昼が長い日、すなわち、日の出と日の入りの間が一番長い日いうことになります。ということは、日の出の時刻が一番早くて、日の入りの時刻が一番遅い日と思われがちですがそうではありません。では、日の出が一番早いのはいつなのでしょうか。また、日の入りが一番遅くなるのはいつなのでしょうか。
日本では日の出の時刻が一番早い日は夏至の1週間ほど前で、日の入りが一番遅い日は夏至の1週間ほど後になります。これは昼間が一番短い冬至でも同じようなことが言えます。2021年の東京で日の出の一番早い日は6月13日の4時23分56秒で、日の入りの一番遅い日は6月29日の19時1分27秒です。
この原因は太陽の動き方にあります。太陽は空を動いていきます。その速さは常に一定というわけではなく、目で見て感じることはできませんが、季節によって異なっているのです。その速さの違いは、地球の地軸が約23.4度傾いていることや、地球の公転が太陽を中心とする円軌道ではなく楕円軌道になっていることから起こってきています。(ここを説明すると難しくなりますので省きます)
時刻の決め方
太陽が真南を通過して次に真南を通過するまでが1日で、その24分の1が1時間、1時間の60分の1が1分、1分の60分の1が1秒というように決められています。
ところが、日の出日の入りの説明のところでも触れましたが、太陽の動きは一定でないために、1周してくる時間が代わってしまします。ということは1時間や1分の長さも時期によって代わってしまうことになります。
それでは不便ですので、実際の太陽とは別に1年中速さの変わらない仮想の太陽を考えます。その太陽のことを平均太陽と言います。現在使われている時間は平均太陽を元にした時間が使われていて、平均太陽時と言います。
地域による日の出・日の入りの時刻の違い
世界標準時は東経0°にあるイギリスのグリニッジ天文台における平均太陽時が基準です。
地球は1日(24時間)でほぼ1回自転(360°)します。ということは1時間で15°(360÷24)4分で1°(60÷15)自転していることになります。日本の標準時は東経135°の明石が基準になっていますので、世界標準時より9時間(135°÷15°)早い事になります。
東京は東経139.76°で更に4.76°東になりますので、明石の日の出が6時であれば、東京の日の出は明石の約19分前、すなわち5時41分に日の出ということになります。日付変更線までは東に行けば行くほど日の出・日の入りは早くなり、西へ行けば行くほど遅くなります。
日本で一番早く日の出が見られるのは小笠原諸島
日本で一番早く日の出が見られるのは、日本の最東端、東経154度、北緯24度の南鳥島で、夏至日の日の出は3時56分頃です。初日の出を見ようと思ったら5時26分頃になります。しかし、南鳥島は東京都小笠原村に属していますが、交通機関は航空自衛隊の飛行機のみで、定住している人はいませんので、ほぼ初日の出を見に行くことは不可能です。
人がいて容易に行けるところでは、東経 142度、北緯 27度の小笠原諸島の中の母島だと思われます。夏至日の日の出は4時35分頃、初日の出は6時20分頃となります。
夏至の日は日の出・日の入りが最も北よりになる日
「太陽は東から出て西へ沈む」誰もが知っていることです。しかし、真東から出て真西に沈むわけではありません。これも季節によって異なっています。
夏至の日には、日の出の方位は東北東方向、日の入りは西北西方向でどちらも最も北寄りから出てきます。東京辺りでは日の出は真東から約30°北よりのところから出て、日の入りは真西から約30°北寄りに沈みます。
前に示した天球の図を見ると理解しやすいと思います。ちなみに春分・秋分の日は真東から上がり、真西に沈みます。
夏至前後の日の出・日の入り・南中高度のデータ一覧
東京(東経139.76°、北緯35.69°、標高6m)の日の出・日の入りのデータをのせておきます。方位は北を0度とし、東回りに測った角度です。(北:0°、東:90°、南:180°、西:270°)
月日 | 日の出 | 方位(度) | 日の入り | 方位(度) | 昼の長さ | 南中時刻 | 南中高度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
6/11 | 4:23:59 | 60.3825 | 18:57:18 | 299.6719 | 14:33:47 | 11:40:34 | 77.4032 |
6/12 | 4:23:57 | 60.2946 | 18:57:44 | 299.7545 | 14:33:47 | 11:40:46 | 77.4387 |
6/13 | 4:23:56 | 60.2154 | 18:58:09 | 299.8283 | 14:34:13 | 11:40:59 | 77.5273 |
6/14 | 4:23:57 | 60.1451 | 18:58:33 | 299.8932 | 14:34:36 | 11:41:12 | 77.5791 |
6/15 | 4:23:59 | 60.0838 | 18:58:55 | 299.9492 | 14:34:56 | 11:41:24 | 77.6241 |
6/16 | 4:24:03 | 60.0313 | 18:59:16 | 299.9962 | 14:35:13 | 11:41:37 | 77.6622 |
6/17 | 4:24:09 | 59.9878 | 18:59:35 | 300.0342 | 14:35:26 | 11:41:50 | 77.6943 |
6/18 | 4:24:16 | 59.9533 | 18:59:53 | 300.0633 | 14:35:37 | 11:42:03 | 77.7178 |
6/19 | 4:24:25 | 59.9278 | 19:00:09 | 300.0833 | 14:35:44 | 11:42:16 | 77.7352 |
6/20 | 4:24:35 | 59.9113 | 19:00:24 | 300.0944 | 14:35:49 | 11:42:29 | 77.7458 |
6/21 | 4:24:47 | 59.9037 | 19:00:38 | 300.0965 | 14:35:51 | 11:42:42 | 77.7495 |
6/22 | 4:25:00 | 59.9052 | 19:00:50 | 300.0895 | 14:35:50 | 11:42:55 | 77.7463 |
6/23 | 4:25:15 | 59.9156 | 19:01:00 | 300.0736 | 14:35:45 | 11:43:08 | 77.7362 |
6/24 | 4:25:31 | 59.9351 | 19:01:08 | 300.0487 | 14:35:37 | 11:43:21 | 77.7193 |
6/25 | 4:25:49 | 59.9635 | 19:01:15 | 300.0149 | 14:35:26 | 11:43:34 | 77.6954 |
6/26 | 4:26:07 | 60.0008 | 19:01:21 | 299.9721 | 14:35:14 | 11:43:46 | 77.6648 |
6/27 | 4:26:28 | 60.0471 | 19:01:24 | 299.9205 | 14:34:56 | 44:43:59 | 77.6273 |
6/28 | 4:26:49 | 60.1022 | 19:01:26 | 299.8599 | 14:34:37 | 11:44:11 | 77.5829 |
6/29 | 4:27:12 | 60.1663 | 19:01:27 | 299.7905 | 14:34:15 | 11:42:23 | 77.5318 |
6/30 | 4:27:36 | 60.2392 | 19:01:26 | 299.7123 | 14:33:50 | 11:44:35 | 77.4739 |
日の出・日の入りはどの時点のことを言うのか
- 日の出・日の入りは、太陽の上端が地平線に接した時の事を言います。ですので、日の出は太陽が出かかった時、日の入りは太陽が完全に沈んだときのことです。
- 一方月は月の中心で判断します。月が半分出て月の中心が地平線に重なったときが基準です。これは月の満ち欠けにより、上端が見えないことがあるからです。
夏至と食べ物

京都では、外郎(ういろう)の上に小豆を乗せて固めた「水無月」を夏至に食べる風習があります。
夏至は日本では梅雨の真っ只中という季節です。冬至の日にはカボチャを食べるという風習が全国的にありますが、夏至には全国的な物がありませんが、地域的なものを紹介します。
関西では夏至にタコを食べる
昔は夏至の辺りで田植えが行われていました。関西での蛸を食べる風習はこの田植えにから来ていると言われています。蛸は8本足なので、稲の根が蛸の足のように四方八方に広がり、タコの吸盤のようにしっかり張り付き、稲がたくさん実りますようにと言う五穀豊穣の意味を持っています。
また、これから猛暑を迎える時期ですので、暑さに負けない体力を付けるためだとも言われています。実際に蛸にはリポビタンDにも含まれているタウリンが多く含まれ、疲労回復などの効果があります。
本来は夏至日ではなく、夏至日の11日後に当たる雑節の半夏生(はんげしょう)に食べられていました。昔から半夏生には田植えを終わらせるようにしていましたので、一息ついたところの風習だったのでしょう。夏至から小暑の間を夏至とすれば半夏生も夏至に当たります。現在では全国の魚屋さんで半夏生の日をタコの日としてタコを積極的に販売するようになってきています。
奈良県や和歌山県では半夏生餅を食べる地域もある
半夏生までに田植えを終わった農家が餅をついて、田圃の神様に供えたのが始まりだそうです。また、6月は小麦の収穫時期でもあったのでその風習が伝わっているのかもしれません。
普通のお餅は餅米を使ってつきますが、半夏生餅は小麦と餅米を混合したものをつきます。小麦を使うことから小麦餅と言われたり、田植えの後につくので早苗饗(さなぶり)餅とも言われています。一般的にはきなこにまぶして食べられています。
愛知県では無花果田楽を食べるらしい
愛知県では夏至に無花果(イチジク)に田楽味噌をかけた無花果田楽を食べる風習があるようです。ところが愛知県の友人に聞いても「聞いたことがない」と言っていましたので、よほど地域的な風習かもしれません。
愛知県は三河地方を中心に無花果の大生産地あることと、赤味噌文化が広がっていますので無花果田楽と言うものがあっても不思議ではありません。
作った人の口コミなどでは意外に美味しいと評判になっています。
夏至と行事
日本での夏至に行われるイベントはそれほど多くありません。一方北欧では日照時間が短いときと長いときの差が激しく、太陽高度が低いこともあって、夏至の日の日照時間の長さや太陽高度の高さに感謝の気持が大きく、各地で夏至祭が行われています。
各地の行事も2020年は新型インフルエンザ感染防止のために中止になっています。2021年の実施については未定になっていますので、主催者のホームページなどで確認することをおすすめします。
三重県の二見興玉神社「夏至祭」
「伊勢神宮の参拝は二見から」と言われています。伊勢神宮にも近い二見にある神社が二見興玉神社です。夫婦岩のある神社と言った方が分かりやすいかもしれません。夫婦岩は岩の間から昇る「日の大神」を拝する鳥居の役割を果しており、日の出を拝む場所となっています。
夏至の前後にはしめ縄でつながれている大小2つの岩の間から朝日が昇るのを拝むことができます。天気が良ければ、遠くの富士山のシルエットも岩の間に見ることができます。
夏至祭は日の出の前に行われ、幸御健勝、世界平和の祈願が行われます。その後夫婦岩の前の海に入り禊行事が行われます。2020年は本殿祭のみ神職だけが行われ、禊行事は中止となりました。参加の申込みは例年4月1日頃から始まります。
北海道当別町のスウェーデン公園周辺で行われる「夏至祭」
北欧スウェーデンでは6月7月は白夜となり、夏至の頃には近づく夏の到来を楽しむように夏至祭(ミッドサマー)が行われるのが伝統となっています。そのスェーデンの夏至祭を日本でも体験できるのが当別町で行われる夏至祭です。
当別町の夏至祭はスウェーデン交流センター・スウェーデン公園・レクサンド記念公園で、夏至の近くの日曜日に開催されます。
本場スウェーデン同様、マイストングの立上げ、フォークダンス、グリーンコンサート、大道芸人のパフォーマンスショー、当別産食材を使った料理や、スウェーデン夏至祭の定番メニューの北欧プレート、北欧ビールなどを堪能することができます。2020年は6月21日(日)に予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止となりました。
天球は中央に人が立った時の空を球面として見立てています。